「猫伝染性腹膜炎(FIP)」の治療の今
猫伝染性腹膜炎(FIP)を発症したら、99%死亡します。
一昔前まではそう言われる病気でした。
コロナウィルスの変異により、稀に発症します。
発症すると2週間ほどで死亡してしまうことが多いです。
お腹が膨れることが多いです。
今はというと、無認可ではありますが、治療薬ができました。
私が知っている限りでは【MUTIAN(ムティアン)】という主にカプセルの飲み薬で流通しているものと、【GS-441524】という液体の注射用で流通しているものがあります。
実際に動物病院で使ったことがある先生の話を聞くと、今までぐったりして頭もあげられなかった猫が、GS-441524の注射を3日したあとに立ち上がることができたと仰ってました。
末期の症状の子はもう手遅れの場合がありますが、発症後すぐだと寛解する可能性が高いです。
ボランティアの情報を聞いてみて、統計をとっていると様々な状態のなかで9割は病気で亡くなることを回避できています。
MUTIANが出回った初期の頃は、否定的な先生も多かったのですが、実際に死なずに済んでいることは事実です。
ただし、治療がものすごく高いのがデメリットです。
84日の投薬で100万円前後かかります。
最近クラウドファンディングでこのお金を集めているのをよく見かけますが、正直お金がないと救えないというのが現状です。
動物愛護団体は、保護した子が発症してしまうと活動費という面で死活問題に。
ボランティア同士でこの薬を使うかどうかで揉めているのをSNSで見ることもあります。
目の前の子が病気でなくなるのを助けてあげたい気持ちと、100万円あればどれだけの子がこれから救えるのかという気持ちと。
お金と命を天秤にかけるというのは本当に苦しい決断です。
こんなもの絶対に正解の選択肢はありません。
だから僕も迷っています。
もし保護した子がなってしまったらどうしよう、と。
だから、他の団体がどう判断しようと、その方が決めた選択を尊重します。
GS-441524の場合、注射というハードルの高さはありますが、費用はMUTIANの半分ほどで済むそうです。
それでもなかなかの費用なので難しいところでもあります。
現状、動物病院でも対応しているところがあります。
【FIP治療 地域名】で検索すると出てきます。
未認可の薬なので、先生の考え方もいろいろなのですが、もし自分の猫がFIPを発症した場合、情報として知っておいてください。