飼い猫の避妊去勢手術はするべきか
うちの譲渡会で参加する猫の譲渡条件で必ず守ってほしいことがあります。
・完全室内飼い
・終生飼育
そして
・去勢避妊手術
これは参加する団体に守ってもらっています。
上2つは説明する内容でもなくそのままです。
去勢避妊手術をなぜするのか。
これは実際にしたくないという声もごく稀にありましたが、今となっては去勢避妊が当たり前という風潮のおかげで、この条件を守れませんというやりとりはなくなりました。
そんな僕はというと、小学校の頃、何も知らなくて、飼い犬の去勢手術はかわいそうだと反対派でした。
愛犬が去勢したときは申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
生物として子孫を残せないなんて、、、と思っていましたし、今でもTNRする猫には申し訳ない気持ちになります。
けれど、団体の条件として去勢避妊は徹底してもらっています。
団体としての一番の理由は、もし脱走したときに避妊去勢をしないまま見つからなければ、その地域にあっという間に猫の群れができてしまう可能性があること。
脱走して帰ってきたメス猫が妊娠をしていた、というのは昔よくある話でした。
その猫の里親を見つけてほしい、と言われても正直なところ、動物愛護団体は外にいる野良猫の保護で精一杯です。
殺処分という現実がある今は、なんとしても生まれてくる命を減らさないといけません。
世の中絶対はありません。
猫が脱走することは、どれだけ気をつけていても一瞬の油断で起こりうることです。
ここまで、愛護団体の目線で書いてきましたが、買主側のメリットもあります。
メスであれば卵巣と子宮の病気、乳腺腫瘍など
オスであれば精巣や前立腺の病気など
が予防できるという理由で推奨しています。
また、発情期に大きな声で鳴くこともなくなり、雄の場合マーキングのおしっこを防げます。
うちの猫のうち、一匹が少し去勢の時期が遅く、そこら中にマーキングをしてしまいますが、家がアンモニア臭が漂ってしまって悲惨なことになるので、最初の発情期が来る前に去勢をすることをオススメします。
デメリットとしては、手術のリスクです。
全身麻酔をし、雌の場合お腹を切り開くわけですから大きなダメージを負います。
雄の場合、大抵一日あれば回復しますが、雌の場合は3日くらいご飯を食べない子もいます。
手術には麻酔を使いますが、ごく稀に麻酔によって死亡してしまうことがあります。
といっても、一斉手術をしているある団体は年間2000匹ほど手術して、麻酔による死亡事故は0件なのでほとんど起こらない確率です。
手術はかわいそうだ。
その気持ちはとてもよく分かりますが、手術をすることで性格が穏やかになり、多頭飼育でもケンカが起こりにくくなるというメリットもあります。
するしないは自由なのですが、私はすることを強くおすすめします。